はじめに書いておきますが、この文章は全然書評になってません。自分メモ的な文章なので読んでも何にも分からないと思います。ただ、この作品はめちゃめちゃ面白いことだけは確かです。
ホーガンが書いた量子宇宙もの。第三次大戦間近の世界で、平行世界に精神のみ移動する技術は既に存在するような舞台。精神ってなんだ。脳内のニューロン配列じゃないのか。いくら平行世界だからといってニューロン配列まで一緒なのか。DNAの二重らせん構造は平行世界とインタラクションするアンテナなんですよ。進化の過程は、有り得る全ての方向に進んだ各世界から良さげな結果を選んだもの。遺伝子レベルで平行世界に干渉してるわけですね。それを応用して計算機も無数に存在する平行世界の計算力を集約しているから超高性能。そりゃ精神だけ別の世界に飛ばせるわ。ホーガン先生の脳の中がどうなってるのかこそ知りたいですよ。訳の影響もあるのかもですが、ホーガンの文章は柔らかいというか懐が深い感じで結構するする読める。イーガンは硬い。どっちも大好きです。
今までの俺の知識では波動関数は収縮するもんだと思っていたんですが、量子力学には多世界解釈というものもあるようで、この本ではその多世界解釈を基に書かれています。どんなものか説明すると、スリットを用いた光の干渉実験で明暗の縞模様が現れるのは、光子の存在確率をあらわす波動関数が収縮しているから、というのが一般的な(?)解釈。つまり、「そうなるかもしれなかった」無数の選択肢の中から一つを選び出した結果が今の世界だ、という考え方ですね。それに対して、収縮なんて起きずに、無数に存在する平行世界の光子が相互に干渉した結果として縞模様が現れるんだよ、というのが多世界解釈。「そうなるかもしれなかった」選択肢の数だけ世界は分岐して増えていき、それぞれの世界が「近所の」平行世界と干渉しあう、という考え方でしょうか。えー、俺の解釈はこうなんだけど合ってるかどうかの自信はありません。
「James P. Hogan / Paths To Otherwhere」への2件の返信
でげしょー。ちょっと「星を継ぐもの」とかより悲観的な感じもするよね。今日はどうも。ちなみにこの前Wired newsで見つけたのですが、
http://hotwired.goo.ne.jp/n…
の終わりのほうに書いてあることは面白いと思います。
おお、この記事かなりグッとくるね。精神は量子力学的なモノなのか。となると、優柔不断なのは波動関数の存在確率が低いって事になるのかな。