カテゴリー: 未分類

  • 謳わず騙れ

    俺は朗読は楽しめないということが良くわかった。特に演技性のある朗読が苦手だ。なんか気持ち悪い。だから、ただ自分が好きな詩を声に出しただけ、みたいな人(焼き鳥屋の店主?)が一番聴けた。

    久々に観たF.H.C.は、ルミさんの楽器がアコーディオンになっていて、室内楽で大層良かった。生音が綺麗に響く場所で聴きたい。

  • 西島大介 / 凹村戦争


    ハヤカワから出ているマンガ。FADERのマンガ特集に載っているのを見て絵に惹かれて買ったんだけど、中身も中々良かった。高校受験前の中学生が火星人と戦って地球を守るために村を出て行くというような冒険+青春物語!になるはずが、妙に醒めていてネットで情報を探すばかりの男の子や、地球侵略に来た火星人をかわいいと言って抱きしめてしまう女の子がいて、ストレートに盛り上がらない。そこらへんの感覚が現代的だなあと思った。ちなみに、このマンガは星雲賞を取ったらしいんだけど、星雲賞ってSF界ではどれくらいの権威がある賞なの?

  • vvvvの解説をちょっとしてみるサイト

    voicedotzeroのvvvvの解説をちょっとしてみるサイトを見て、自分の作ったvvvv toolkitの日本語解説を試みるサイトβ版も一年ぶりくらいに見てみる。BBSに書き込みがある。アクセスログを見たら去年の5月6月に結構な量のアクセスがあったらしい。いまやもうバージョンアップによって完全に時代遅れになって、当時のやり方ではHello Worldすら表示させられないのに見てくれる人がいるんだな。なんかちょっと嬉しい。去年の今ごろ、あそこのコンテンツは全てvvvvikiに移そうと思ってたけど、それもやりかけで止まっている。中途半端だなあ、俺。移動だけでも終わらせよう。

  • Ted Chiang / Stories of Your Life and Others


    テッド・チャンの短編集。というか、今現在における全作品らしい。割とどれも面白かったけれど、表題作「あなたの人生の物語」と「バビロンの塔」は読み終えたとき鳥肌が立ったくらい良かった。特に「あなたの人生の物語」は、文体の意味を理解した瞬間の衝撃度がかなり大きかった。予想の斜め上を行く。どの作品も括るとしたらSFではあるけれど、舞台が神話時代だったり天使が実在する世界だったりして、所謂SFの枠だけには収まらない作家だと思った。次の作品が待ち遠しい。

  • Greg Egan / Permutation City



    今年になって重版され、やっと読めたイーガンの長編。俺はとても面白く読めたけど、計算機科学やら計算量、最適化、セル・オートマトンなどについて大まかにでもわかっていないと読み難そうな気がする。特に塵理論とかTVC宇宙あたり。塵理論は並行世界に繋がる。どんなノイズでもその断片の順列組み合わせの中には有意なものがある。無数の組み合わせの中には今のこの世界の全てを記述するものがあり、この文章を書かなかった世界を記述するものがあり、俺が生まれていない世界を記述するものがあり、太陽系が存在しない世界を記述するものがあり、…。ここらへんはイーガンの大きなテーマなんだろうな。