• Jean-Luc Guionnet / 村山政二郎 JAPAN TOUR

    2日目の会場は北大クラーク会館で、ギオネのパイプオルガン演奏がメインの日。仕事が終わらず村山さんのソロと高橋さんのソロを見逃すが、なんとかギオネの演奏には間に合う。一応ギオネのパイプオルガン演奏はCDでちょびっと聴いたことがあったので、それと同じような音で始まったときは少し笑いそうになったけれど、すぐに演奏に惹き込まれる。というか、惹き込まれすぎてちょっと泣いてしまう。全然そういう感情的な演奏ではなかったはずなんだけど。何故か涙が。あの演奏は何かがおかしいと思う。一般的に音楽と認められないような音楽をちょっとは好んで聴いてきたけれど、あれは今まで体験したことが無いような不思議な演奏だった。宇波さんがギオネのことを「フランスの怪人」と呼ぶのも頷ける。

    当日急遽決まったギオネ(パイプオルガン)+村山政二郎(スネア、シンバル)+高橋幾郎(ハンドドラム)トリオ。村山さんの演奏はここでも異常なほどのメカ感が出ていた。メカだからなのか演奏全体の時間管理をしているような印象もある。で、その村山さんの演奏の上あるいは横でギオネと高橋さんが動き回る。三人ともものすごい集中力で演奏していて、観ている側も集中する。消耗する。なんか「鬼」とか「修羅」とかそんな言葉が浮かんだ。この演奏が終わったら俺は死ぬんじゃないか(音楽に殺されるんじゃないか)と生まれて初めて思ったくらい。

    演奏終了後ちょろっと物販を手伝ったのだけど、ギオネが持ってきてたCDはほぼ完売した。なにか残るものがあったのは俺だけじゃなかったと思ってちょっと安心する。その後打ち上げ。この日の村山さんは「フランス人女性+日本人男性」「日本人女性+フランス人男性」の相性問題について熱く語っていた。ギオネは熱燗。

    後日、村山さんが前日の弓射の演奏を褒めていたと聞きとてもうれしかった。単純だけど褒められるとやっぱりモチベーション上がるわ。

  • Jean-Luc Guionnet / 村山政二郎 JAPAN TOUR

    札幌2daysのうち、1日目の方に弓射(俺+神田)で出演。演奏の滑り出しはなかなか良かったのに中盤でだれてしまう。終盤、二人とも音が消えて終わりという雰囲気の中、俺一人で音を出さないまま演奏は終わってない緊張感を出していたら神田が音を出してしまったのが少し残念。あのまま、音は鳴っていないのに終わっていない感が続く状況が面白そうだったのに、音を出してしまうと予定調和っぽくなってしまったのではないだろうか。

    高橋幾郎オシレーターソロ。会場内に徐々に響きが充満してくると、照明の点灯ノイズ(?)が浮かび上がってきた。でかい音が鳴ることで小さい音が浮かび上がるのは耳の体験として面白いといつも思う。

    Jean-Luc Guionnet(アルト・サックス) + 村山政二郎(ドラム)デュオ。ギオネはリハ中(リハ後も開場まで)スケール?アルペジオ?しか吹いていなかったのでそういう演奏をするのかと思っていたら全然そんなことはなく、かなり多彩で自由な演奏だった。時間軸上の流れもきっちりあってとても良い。が、個人的には村山さんのドラムの方が衝撃的だった。スネアの打面と横に渡したスティックの間にもう一本のスティックを差し入れて上下にカタカタやってて、それが異常なほど等間隔で機械かと思うくらい。なんか良くわからないけど随所に機械感溢れる演奏ですごいぐっと来た。このデュオは観れて聴けて良かったと心から思う。

    出演者+αでこぢんまりと打ち上げ。高橋さんと村山さんは二人とも不失者のドラマーだったことがあって、お互い何となく知ってはいたようだけど、実は二人とも同い年だったということで盛り上がる。あと村山さんはかなり親父ギャグを言いまくるおちゃめなおっさんだったということもわかる。すげえ鋭い眼光で怖い人だと思ってたからギャップありすぎて面白かった。

  • CD購入

    • Rafael Anton Irisarri / Daydreaming
    • Bernhard Gunter, Heribert Friedl / TRANS~
    • Ekkehard Ehlers / plays
    • Keiichiro Shibuya / filmachine phonics

    Rafael Anton Irisarriは、ピアノやギターなどをメロディアスにくぐもった感じで使用した、ドローンではないけれどエレクトロニカというのはおかしいというくらいの音楽。Ekkehard Ehlersは、アイラーとかカーデューを素材にしたエレクトロアコースティック。リミックスというとニュアンスが違う。Bernhard Gunter, Heribert Friedlは、シンバロンとかセロターとかいう謎の民族楽器(自作楽器?)と変圧器の動作音をDSPしたというCDで、結果的にはコンピュータを取り入れたインプロみたいな感じかな。ゆっくりとだけど確実に展開していくのは良いと思う。渋谷慶一郎のはヘッドフォン・イアフォン専用の立体音響作品ということでどんな風に聴こえるのか楽しみ。

  • TUJIKO NORIKO / SOLO

    SOLO
    SOLO
    TUJIKO NORIKO
    バウンディ
    2007-02-07
    CD


    RATNとか、AOKI takamasaとのデュオとか、pitaとのデュオとか、最近は誰かとの共作が多かったツジコノリコの久々のソロ作。そのものずばりSOLO。全然試聴しないで買ったんだけど、一曲目「MAGIC」でいきなり泣いた。というのはおおげさだけど一曲目はかなり良い。「結局僕ら何にも成し遂げられなかった、だなんて言うけどちっともそんなことない。何者でもないんだ僕は、だなんて君は言うけどちっともそんなことない。」なんていう歌詞がメランコリックで遅い四つ打ちに乗ってるのだから俺が嫌いなわけが無い。ちっともそんなことない。

    2曲目「SUN」はシンセのベンド具合があまりにも無造作で微笑みが漏れてしまうけれど、曲としてはそこまででもないかも。3曲目「ENDING KISS」はエレキギターがそのままエレキギターらしい音のままでほぼ一曲通して演奏されていて意外。奇を衒ったことはする必要が無いという自信なのだろうか。この曲のビートは、以前の曲で使われていたのと同じサンプルがちょこちょこ使われていると思う。4曲目「LET ME SEE YOUR FACE」はインタールード的なノンビートの曲。5曲目「最後の地球」もかなり泣ける。歌詞は意味不明だけど。CDに入っているムービー「普通の日」に使われているのもこの曲。ムービーの方は微妙に歌詞の内容とリンクしているようないないような意味不明な内容。FLASHムービーっぽい動き方をしている。6曲目「GIFT」はなんか普通の曲。7曲目「NO ERROR IN MY MIRROR」は、AOKI takamasaとの「26th. floor」みたいな朗読もの。8曲目「染み」も普通っぽい。9曲目「中華レストランで」はそれこそ普通なビートが鳴っていてものすごく普通。エレクトライブを使っているのは間違いないと思う。要するに、俺は1曲目がとても好きで、5曲目も割と好きだよということ。

    しかしすごいジャケットだ。裏ジャケはもっとすごくて、でかい緑色のノミなんだか太りすぎたバッタみたいのがでーんと描かれている。狙いが全くわからない。