karafuto a.k.a. fumiya tanaka。enjoy super lightsなDJを期待していたら、予想とは全く異なり四つ打ちでした。しかもキックが結構強くてクリックという感じでもなくて音楽的には今の俺の好みど真ん中ではありません。それでも色々と思うところがあって楽しかったです。
まずなによりDJプレイが非常に精確だと思いました。選曲、ミックス、エフェクト処理などから迷いやブレが全く感じられません。俺は、特にクラブみたいな暗いところで音楽を聴いていると頭の中に映像が浮かんでくることがあるのですが、今回のkarafutoのDJからは精密な機械時計が組みあがっていく様子を連想しました。伝わるかどうかわからないけれど、それは電子機器の精密さではなくて精密機械のイメージなんです。とにかく無駄が無くて、全てに必然性を感じられるような時間でした。
とにかく精確というイメージが強くて細かいところはあまり覚えていないのですが、覚えている範囲ではキックとキックの間の取り方も面白かったです。テクノで四つ打ちでキックというと、リリースが長くて前後が途切れず繋がっているようなものか、逆にリリースの短いクリック的な明確な隙間を持ったもののどちらかだと思っていました。それが、錯覚かもしれませんけれども、karafutoのDJでは前後のキックの間に5msくらいの間があるような気がしたんですね。その知覚できるかできないかという小さな隙間があることによって随分リズムの解釈が変わるなと。解釈が変われば踊っている自分の体の動きも変わるわけです(実際は自分の動きの変化から気づいたのですが)。なかなか面白い体験でした。
まあ、良く考えたらDJがキックの隙間を作れるわけはないので、そういう風に作られている曲をかけてたということなんですけどね。音楽は時間と不可分なものなので、間の取り方が重要なのは当然なんですけどね。もしかしたら俺が今まで聴いてきた他のDJもそういう部分に意識的にやっていたのかもしれないんですけどね。今やっと気付いたんです。ちょっと耳が広がった気持ちで嬉しいです。
ちなみにkarafutoは大体4時間くらいやっていたんですけど、そのうち二時間くらいは初対面のプレシャス常連の人とずっと喋ってて、その不思議な状況も面白かったです。ブーツとか高機能衣類とか工具とかオーディオとか車とか、とにかく知識が多方面に豊富な人でした。単なる知識だけの人と違って、それら全てに愛情を持っていることが伝わってくるので、話していて楽しかったし興味もそそられました。そんな一年ぶりのプレシャスホールでした。ヒザが痛いです。