現代の音楽とテクノロジーの関係(ナチスが開発した技術の恩恵)、ノイズという音楽の出自(雑音の定義・種類、純粋に情報が欠落する場合と、望まれない状況で情報が押し付けられる場合、表現としては後者)、ノイズ第一世代・第二世代の間にある表現の差(ノイズ音楽というジャンルが成立してしまって以降、どのような表現がノイズ音楽に対するノイズとなりえるのか)、などを実際に音源を聴きながら簡単に紹介して前半は終了。後半は、大音量で圧倒し空間を支配するようなノイズの流れでは限界があり、そこから抜け出すように発生した弱音・音響のような音楽についての解説。西洋音楽においては調を解体し12音技法へ、ジャズにおいてはアドリブを推し進めてフリーへ、といったように音楽は常に過去の音楽を解体・再構築するように変化してきたが、ノイズの発生において構造は既にON/OFFのみにまで簡略化された(ONからOFFまでの間に細かい変化は起こるとしても)。そのON/OFFすらも曖昧にしたような音楽が今「音響」と呼ばれていたり、Improvised Music From Japanで紹介されているような音楽で、起承転結もカタルシスも何も無く、ただそこにある音楽。そのような音楽の発生に関してオフサイトが果たした役割と、そのオフサイトの閉鎖が意味するところ。などなど。
なんとなく覚えてることだけをツラツラ書いたので、レクチャー聴いてない人は全然何のことだか分からんと思うけど、まあ備忘録みたいな感じで。とても面白い話だった。
レクチャー終了後、沼山さん大友さんと少し話して、そのまま軽い打ち上げまで付いていってしまった。西村さんとかも来るのかと思ったら、大友さん、沼山さん夫妻、神谷、俺というメンツで、ちょっとだけ腰が引けたりしましたよ。まあでも、レクチャーとはまた別の意味で面白い話を色々聴けて楽しかったわ。明日もまたSOSO CAFEで、大友良英ソロ。ANODEだとかfilamentだとかは見てるけど、ソロ(特にターンテーブル)を見るのは初めてなのでとても楽しみ。