古立ソロ
演奏時間が10分と短いので、焦って色々やろうとした結果、焦点の定まらない演奏になっていたように思う。10分ということが初めから分かっていたので、ひとつのことだけを聴かせる演奏にすれば良かったと反省。
古立・神谷デュオ
神谷はダンボール製のフラットパネルスピーカーをマイクとして使用し、その上でモーターを動かしたり、針と糸で弦を模倣したりという演奏。俺は割と煽るような演奏をしていたのに神谷がほとんど反応してくれず、結果として関係性の希薄な、かといって完全に無関係でもない緩い演奏になっていたと思う。最近、人と演奏するとついつい煽ったり絡もうとしてしまうのだけど、コミュニケーションに飢えているのか。昔は無関係な演奏を志向していたのに。
神田ソロ
全編フィードバックという神田にしては珍しい演奏。アコースティックベースと対向させたアンプによる。外から見ていたので細かいことは分からないが、いつものように電動歯ブラシやEボウを使っていたように見えた。道具はいつもと同じでも出てくる音は全然違って面白い。かなり攻撃的に聴こえたのは単に音量が大きかっただけではないと思うけどどうだろう。フィードバックに関して、俺の演奏がフィードバック経路を内側から操作することだとすれば、神田の演奏はフィードバック経路を外側から操作することなのかな、と思った。よく分からないけど、直感的に。
神田・神谷デュオ
神谷はクラリネットを演奏。正直なところ前半は所謂インプロみたいで大して面白くなかったけれど、後半は二人の音が音楽的に纏まっていて良かったと思う。まあ、クラリネットを加工したループがエレクトロニカみたいだったのと、ループが時間軸上の基礎になって聴きやすかったんですね。演奏の姿勢というか意識みたいのは、神田が神谷に合わせようとしているように聴こえた。
河口ソロ
春や初夏と同じギタードローン演奏。エフェクターの種類とかアンプの配置とかは変わっているのかもしれないけど、基本的な演奏の考え方は同じ。今回は演奏時間が10分と短いせいで集中していたのか、過去二回よりも音の精度が高かったと思う。ドローンって家で聴く分には何時間でも大丈夫だけど、ライブの場では10分くらいが丁度いいのかもしれない。もちろんもっと長く聴かせられるやり方もあるんだろうけどね。神谷は河口君の演奏に「巨匠感がある」とか言ってた。
河口・神谷デュオ
神谷は河口君の演奏をラインでもらってコンピュータで加工する演奏。河口君の演奏はソロと同じ。予想通り二人の音楽的な相性は良くて、心地良い音だった。この日の神谷の演奏の中では一番自然体な神谷だったとも思う。
まとめ
音楽祭としては初めてゲストを迎えてソロとデュオをやったわけですが、そこそこ集客もあって良かったんじゃないかな。まあ、神谷客が求めてる音楽はあまり聴かせられなかったと思うけど、もしも何かしら引っかかるものがあったらまた来て欲しいものです。個人的には、NMAの沼山さんが来ていてちょっと緊張した。