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宇波拓・伊東篤宏

ことにパトスで、宇波拓と伊東篤宏それぞれのソロ+デュオ。二人ともかなり前から観たかった人達なので物凄い期待していったのだけど、期待を裏切らないとても良い演奏だった。

宇波拓のソロは、わざわざコンピュータを使ってモーターの動きを制御して鉄板やスネアをペチペチやったり、いかにもコンピュータという感じの低音やパーカッシブなサイン波を鳴らしたり、パワーブックの液晶をペンでペチペチ叩いたり液晶を前後にギコギコ揺さぶる音を内蔵マイクで拾ったり、というのをかなり音楽的にまとめていた。もっと音楽から遠い、突き放した演奏をするのかと思っていたから、ある種ポップとすら思えたくらい。特に鉄板ペチペチはステージの両端と真中あたりに離して配置してあって、それぞれペチペチの周期がずらされているので、かなりモアレってて良かった。

伊東篤宏ソロは、インスタレーション用のオプトロンを電気リレーのように鳴らすところから始まり、徐々に手持ちオプトロンの演奏に移行。蛍光灯の発行に伴うノイズを音として使用しているオプトロンは、視覚刺激と聴覚刺激が完全にシンクして届けられるので観ていて結構疲れる。音もかなり大きかったので余計に疲れたのかもしれない。演奏終了後は完全に耳キーン状態だった。ちなみにオプトロンの原理は蛍光灯にマイクを付けただけらしい。それをシンベとかメタルゾーンとかの各種コンパクトエフェクターを通してギターアンプとベースアンプを使って鳴らしてた。どういうきっかけで蛍光灯を楽器にしようと思い付いたんだろうなー。不思議だ。そして見た目かっこよい。

それぞれソロが終わって一旦休憩。オプトロンソロCDを購入。ドラムと一緒にやっているオプトラムより、オプトロンだけのソロのほうが純粋に楽しめそうな気がする。

宇波+伊東デュオ。両者共に演奏内容はソロと同じなのだけど、オプトロンの爆音の隙間から鉄板ペチペチが浮かび上がってくる瞬間とか非常に美しいと思った。音を聴いていた印象では、暴れまわるオプトロンを飄々とかわし続ける宇波拓、という感じがした。宇波拓の方が余裕があったというか、即興的な演奏に関して一枚上手だったというか。デュオ終盤になるとオプトロンも微弱音になり、蛍光灯が点灯するかしないか状態でグリッチ音を発していて、あれは最高だった。音量が小さくなったことで初めて互いに掛け合いが発生した(ように見えた)が、そのまますぐに終了。初めから小音量でやってればもっと面白い演奏になってたかもな。

で、打ち上げまで例によって付いて行く。例によってバカ話ばかりで非常に楽しい打ち上げであった。宇波拓は「漫画家で名刺刷ろうと思ってるんですよ」と言っていて、いくらなんでも漫画家は無いだろうと思った。でも俺は闇より来るものを読んでいないので、もしかしたら漫画家を名乗っても問題ないくらい漫画家らしい漫画を描いたのかもしれない。しかし、なんだ、近頃の19歳は小さい頃から不失者を聴いて育ってきたとか言っていて困ってしまう。どんな幼少期を過ごしたのだろう。

なぜか次の日宇波拓とレコ屋めぐりをする約束をして解散。神谷のライブは時間的に観れないかもしれないが、どう考えても宇波拓とレコ屋めぐりをする方が楽しいに決まっている。なんて考えながら帰宅。就寝。楽しすぎた。