河口君はいつものドローンではなく単音をメインにした演奏。ある時間単位のなかでは音程を固定したまま、数秒の間隔を空けた短音を淡々と鳴らしていく。聴いたことが無いので良く分からないのだけど、ヴァンデルヴァイザー楽派の音楽に近いんじゃないかと思う。微妙にエフェクトのセッティングを変えていくのと、音程を変える以外の変化はほぼ無く、かなりの地味さと音楽らしさの希薄具合が良かった。あの雰囲気の中で一度か二度だけ鳴らされたコードは、妙なおかしさがあって楽しかった。
神田は電動歯ブラシのスイッチを有線リモコン化したものを八系統くらい用意して、歯ブラシのヘッド部を空き缶や牛乳瓶に入れて振動させるという演奏。メドル店内のいたるところにケーブルが這わされている様子はdtnのセッティングが思い出されて懐かしい気持ちになった。神田の演奏は、複数の電動歯ブラシのスイッチをオンオフするだけのものであってもグルーヴしているのがすごいと思う。かなり音楽だった。
コウノさんのセッティングは円盤のときと同じ、テルミン2台とマイクロコルグ。相変わらず潔い高周波大会だったけど、大まかな演奏の流れというか構成が考えられていて聴きやすくなっていたと思う。部分部分での演奏を取り出すと武骨なままなんだけども。
自分の演奏は、大まかに3分ごとにセクション分けした18分くらいの演奏をした。つまみの位置やスピーカーとコンタクトマイクの接する角度などの細かい部分まで決め込んでいなかったため、一部即興の要素が強くなってしまい、演奏全体を統一し切れなかったことが反省点。前半はまあまあ良かったんじゃないかと思うんだけども。
最後にカルテットで演奏したが、全く息が合っていないというか、とにかく惨憺たる内容だったように思う。
今回はコウノさん客がほぼ全てだったので、コウノさんには大感謝。今回のギャラで電源タップを買ってください。