2日目の会場は北大クラーク会館で、ギオネのパイプオルガン演奏がメインの日。仕事が終わらず村山さんのソロと高橋さんのソロを見逃すが、なんとかギオネの演奏には間に合う。一応ギオネのパイプオルガン演奏はCDでちょびっと聴いたことがあったので、それと同じような音で始まったときは少し笑いそうになったけれど、すぐに演奏に惹き込まれる。というか、惹き込まれすぎてちょっと泣いてしまう。全然そういう感情的な演奏ではなかったはずなんだけど。何故か涙が。あの演奏は何かがおかしいと思う。一般的に音楽と認められないような音楽をちょっとは好んで聴いてきたけれど、あれは今まで体験したことが無いような不思議な演奏だった。宇波さんがギオネのことを「フランスの怪人」と呼ぶのも頷ける。
当日急遽決まったギオネ(パイプオルガン)+村山政二郎(スネア、シンバル)+高橋幾郎(ハンドドラム)トリオ。村山さんの演奏はここでも異常なほどのメカ感が出ていた。メカだからなのか演奏全体の時間管理をしているような印象もある。で、その村山さんの演奏の上あるいは横でギオネと高橋さんが動き回る。三人ともものすごい集中力で演奏していて、観ている側も集中する。消耗する。なんか「鬼」とか「修羅」とかそんな言葉が浮かんだ。この演奏が終わったら俺は死ぬんじゃないか(音楽に殺されるんじゃないか)と生まれて初めて思ったくらい。
演奏終了後ちょろっと物販を手伝ったのだけど、ギオネが持ってきてたCDはほぼ完売した。なにか残るものがあったのは俺だけじゃなかったと思ってちょっと安心する。その後打ち上げ。この日の村山さんは「フランス人女性+日本人男性」「日本人女性+フランス人男性」の相性問題について熱く語っていた。ギオネは熱燗。
後日、村山さんが前日の弓射の演奏を褒めていたと聞きとてもうれしかった。単純だけど褒められるとやっぱりモチベーション上がるわ。