パーティー51
ドキュメンタリー映画/2013年/韓国/101分/韓国語/日本語字幕
製作:51+ film
監督:チョン・ヨンテク
日本語字幕:清水博之(雨乃日珈琲店)
日本上映担当:Offshore
韓国ソウル、ホンデ(弘大)。とある食堂オーナーとインディー音楽家たちが、自分たちの場と都市を守るために起こしたユーモア溢れる行動の記録。ドキュメンタリー映画。
2016年1月16日(土)と17日(日)
両日ともに19:00上映開始
料金1,500円
会場:OISOGASHI MYHOMETOWN
札幌市中央区北2東3マルタビル9階
札幌上映 予約・問い合わせ:taichi@skipform.info
(ご予約の際には、お名前、ご覧になりたい日程をお知らせください)
パーティー51 映画情報
http://www.offshore-mcc.net/p/party51.html
あらすじ:
韓国ソウル、弘大(ホンデ)地区で自立した活動を続けるソウルの音楽家たち。都市開発により弘大の家賃は上昇。ライブハウスの数も年々減少。また、不安定な収入に未来への不安も抱く。そんな折、音楽家たちは食堂「トゥリバン」のオーナー夫婦と出会う。巨大グループ企業GS建設によって建物が買収されトゥリバンから追い出された夫婦であったが、二人は建物に侵入し立てこもる。音楽家たちは夫婦と協力し、立てこもり真っ最中のトゥリバンで連日あらゆる音楽ライブを開催する──。
『パーティー51』は、ユーモアを取り入れながら自分たちの場づくりと人集めに奔走するソウルの音楽家たちを追った力強いドキュメンタリー作品。来日公演が話題を呼んだYamagata Tweaksterやフェギドン・タンビョンソン、日本の即興・実験音楽シーンとの交流の深いパク・ダハムといった、韓国インディー音楽シーンのキーパーソンたちが多数出演。
all photos by 51+필름
関連企画:
マンスリーふるだて
2016年1月16日 21:00から(パーティー51上映後)
トークゲスト:山本佳奈子(Offshore)
料金500円
会場:お忙しマイホームタウン
札幌市中央区北2東3マルタビル9階
この映画パーティー51を知ったキッカケは、日本での上映窓口を担当しているOffshoreの山本さんのツイートだったと思います。その時点での自分の理解は、韓国の演奏する場所のない音楽家たちが、立ち退きを迫られたうどん屋の店内で日々ライブを行い、店主とともに立てこもるドキュメンタリー映画、というようなものでした。ここ何年か、企画をして演奏するのにちょうどいい場所を見つけにくい、ということが悩みの上位に居座り続けている自分としては、音楽家側の「演奏する場所のない」という部分に勝手な共感を覚えて興味を持ったのです。
実際に映画を見てみたところ、自分の想像が全く貧弱だったことがわかりました。立てこもり、日々ライブ、というキーワードからある種のコミューン的な理想郷を思い描いていたのですが、スクリーンに映し出されていたのは悲惨な状況と抵抗の記録。電気は止められ、建物を買収した企業との話し合いもうまくいかず、音楽家は政治活動をしたいのか音楽をしたいのか問われ。。。想像していた以上の過酷な風景。それでもなんとか闘い続けていく人々。正直言って、自分の悩みはあまりにもちっぽけでこの映画から直接参考にできるものはありませんでした。個別具体的な悩みの解決のヒントではなく、もっと根本的な、社会の中で生きていく態度や考え方の部分で大きな刺激を受けたのです。
なにかにつけて自分の頭で考えず、自分でもよくわかっていない大きなものを敵視したり、テキトーに流されて自分の不満を社会のせいにしてしまったりもしがちですが、自分の身の回りでできる範囲でできることをできるだけやっていくことが大事なんだと思いました。音楽にかぎらず、やりたいことに適した場所が見つからない人、自分の店や場を持っているけれどいまいち伝えられていないと思っている人、何かと闘いたい人、その他もろもろ不満解決の糸口を見出せない人、いろんな人に見てもらって、感想を話し合いたいです。1月16日の上映後は、Offshoreの山本さんをゲストにトークも行います。映画についての質問も分かる範囲で答えてもらえるので、是非こちらも参加してくれたら嬉しいです。
最後に、日本語字幕を担当された雨乃日珈琲店のブログに、パーティー51に関連する記事がいくつかありましたので紹介しておきます。
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