イーガンの日本オリジナル短編集。よくもまあこれだけ色々考え付くもんだなと感心してしまう。一番最初に収録されているからか「貸し金庫」が非常に印象に残っている。並行世界を裏返して自我を分散コンピューティングしているような話。多重人格の逆ともいえるかな。感動したときに脳と頭蓋骨の間がビリビリするような感覚ってあると思うんだけど、読んでいる間ずっとそんな感じだった。「貸し金庫」のためだけに買ってもいいと思う。ほか特に面白かったのは「ぼくになることを」「誘拐」「無限の暗殺者」かな。スイッチ、スキャン、並行世界。自己を規定する要素はなんなのか。
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