佐々木敦の書籍を読んだのは初めて。FADERをはじめとする色々な雑誌に書いているは読んでいたけど。どうも、この人の書く文章は、難しい言葉を使って煙に巻こうとしている感じがする。で、読者を下に見ている様な書き方にも感じる。内容は興味深いから、結局は読むんだけど。
テクノイズの代表として、ピタ、パナソニック、池田亮司を挙げて、テクノ以降の電子音楽について書いている辺りはとても面白かった。シュトックハウゼンあたりの初期電子音楽からの流れ、ライヒあたりのミニマルからの流れ、クラフトワークによるテクノの発明、リッチーホウティンによるミニマルテクノの追求。ここらへんは、ある程度音源を聴いた事もあるせいで話が理解できた。
次がfilamentを中心としてインプロについて。そこで引用されているデレクベイリーの言葉で良いのが一つ。「不思議なことに、グループ演奏に向かう最善のアプローチは、ソロ・インプロヴァイザーのアプローチに徹することなのである。」他人の演奏に意識的に絡んでいくのが苦手な俺にとっては、勇気の出る言葉です。
最後、音響派について。音響、聴くこと。サイレンス。ディープリスニング。ここら辺に来ると、言葉の意味をこねくり回してるだけに思えてくる。全部読み終わっても、結局何が言いたかったのか、あまり良くわからなかったのは、俺の頭が悪いから?あと、テクノイズ・マテリアリズムという書名から、テクノイズ(と佐々木敦が呼ぶ音楽)だけについて書かれてる本だと思ってた。インプロとか音響とかについて書かれている部分がマテリアリズムに相当するのかな。なーんか、すっきりしないぞ。