火星の北極の氷の中から生物の殻が発見されたことをきっかけに火星上で色々と異常事態が起こっていくというような話。物理的な領域での謎解きかと思って読んでいたら、下巻ではネットワーク上での話がメインになったりして少し戸惑う。特に、ウェットウェアという人の脳をフォーマットしてリモートコントロールなどを可能にする技術が出てくるのだけど、こいつのせいで一人の人物が物理世界でいくつもの体を持つうえに仮想世界にもアバターを持っていてかなりややこしい。色々と要素を盛り込みすぎて解決しきれていないような消化不良感が結構残るけど、まあそれなりには面白いと思う。話が逸れていく勢いはイーガンの宇宙消失に似ている。
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